人間交差点
第3回
由次(仲代達矢)はハル(赤木春恵)の心配をよそに、マリエ(佐藤江梨子)を伴い死期が迫る息子(上杉祥三)のいる金沢へと旅立つ。
マリエは寄り道して鳥取砂丘へ行きたいという。修学旅行に病気で参加出来なかったためだと言う。
砂丘で由次は気分が悪くなり、少年に助けられる。その少年は借金取りに追われた父親に会うために舞鶴港へ行きたいという。鳥取砂丘を出ると不審な車に付きまとわれる。マリエは車を撒き城崎に急ぐ。その夜、三人は城崎温泉に投宿する。
由次はマリエが実は不倫相手と鳥取砂丘にきたことを知る。冬で雪が降り砂丘にはいけなかったと話す。
由次も過去が蘇る。由次には戦後、シベリアに抑留された兄がいた。死期の迫る息子とは、由次がその兄の妻とただ一度だけ犯してしまった過ちの末に生まれた子であった。兄は日本に帰ることはなかった。
一方、城崎にも少年を追ってきたらしい不審車が出現、三人は車を捨て列車で舞鶴へ向かう。港に到着し、一安心したのもつかの間、再び不審車が現れる。だが乗っていたのはマリエの同僚の君原(黒田有)で、マリエから追われている子供のことを調べるように言われていて、事情がわかったので追いかけてきたという。
その子の話は本当だが、実はその子の父親は1年前に借金取りにすでに殺されていたのだと言う。父親は舞鶴港から北海道までフェリーに乗ってその子の祖父のいる実家へ逃げ、舞鶴港で落ち合うため一人で港へ行かせたという話、実は父は自分が逃げるため子供をおとりにしたと言う。しかし借金取りにつかまり命を落とす。その子はそれが信じられず何回でも施設から逃げ出し。舞鶴港にやってくることのない父親を待っていると言う。
由次はそれを聞き自分の信じている通りにするのが良いとその子に話す。そして由次は息子に会いに行く決心がつく。
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