新人間交差点
第1回
出雲で農業をする孤独な老人・寺島由次(仲代達矢)には、新聞記者だったという過去がある。姉のハル(赤木春恵)は、農閑期なのに毎日田んぼに出ている由次の最近の行状がどうもおかしいと考えている。
ハルの孫娘、マリエ(佐藤江梨子)は大阪で新聞記者をやっている。ある日取材で出雲に戻ってくるが、現場に到着するのが遅れ、記事を新聞社に送れなかった。
マリエは大阪に戻り、通りを取材しているとストリートダンサーの中に小さい女の子が混ざっているのを目撃する。マリエは子供に声をかけるが、仲間のダンサーの若い娘に邪魔をされる。そのダンサーと子供との関係を調べたマリエは新聞社に戻る。そしてキャップに記事にしたいと話すが、出雲での取材の失敗を怒っているキャップは耳を貸さない。そしてマリエはそのダンサーの小さい女の子が交通事故で死んだのを知る。ダンサーの娘と死んだ女の子は一緒に暮らしていたが親子ではないという。マリエは女の子が死んだのはそのダンサーの娘のせいだと考え、彼女を責めるがダンサー仲間たちに止められ彼女には逃げられてしまう。
この話、キャップに話しても子供の実母に止められていて記事にできないといわれる。
マリエは記者の仕事に行き詰まっていた。とうとう仕事を投げ出し再び出雲に戻ることになるが、心配したハルは強引に由次に引き合わせる。反りの合わない二人だったが、倒れた由次をマリエが看病をし、大阪でのダンサーの娘とその女の子の話をする。
それを聞いた由次は20年前に自分が書いた原稿を見せる。そこにはある不良少女・英子(加賀美早紀)の話が綴られていた。彼女は他人の子供を押し付けられ、迷い苦しみながらも、やがてその子の母となることを決意する。マリエは自らを鼓舞するため、この母子の現在を知りたいと由次に訴え、共に大阪に来る。
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