翼の折れた天使たち〜第1夜「衝動」
自殺願望のあるユリ。コンビニの夜勤が終わると立ち入り禁止の廃墟のビルの屋上に行き柵を乗り越える・・・。しかしそこに佇んだあと再び柵の中に戻る・・・。これを繰り返していた。
ある夜、コンビニの外でダンボールの整理をしているユリ。コンビニ前の駐車場で酒を飲んでいた若者たちの一人が酒に酔い、ビール瓶を割って切れ端を仲間たちにかざし暴れて切りかかろうとする。ユリは魅入られたようにその若者の前に立ち、傷を負ってしまう。
それを見ていて驚く店員と客。そして客の若い男がユリを追いかけて声をかける。男は裕紀と名乗る。無視するユリ・・。
昼間、ユリは心療内科で定期健診を受けている。
<ユリの家は母子家庭で、子供のころは母からかまってもらえなかった。高校生のときユリがリストカットしたときでも、母親はユリのことが理解できないと言い。医師にユリのことを押し付けてしまう・・。>
病院の帰り、裕紀と出会うユリ。逃げるように廃墟のビルの屋上に行くユリ。しかし裕紀が追いかけてきた・・。ユリは死ぬか生きるかここで決めるという。決めないと生きられないという。裕紀はユリの言葉に固まってしまう。
裕紀とユリは電話番号の交換をする。何日かがたったが裕紀はそれからコンビニには来なくなった。ユリの部屋の留守番電話にはメッセージは入っていなかった。
又1月がたち心療内科で検診を受けるユリ。医者には又何も変わったことはないというユリ。
ユリは母のところへ電話をする。母は電話をしてきた理由を聞く、そのことに切れてしまうユリ。そしていつもの口げんかになってしまう。廃墟のビルの屋上に向かうユリ。柵の外に立つ。今度こそ飛べるという。そこに裕紀が飛び込んできて、ユリを柵の中に戻す。
いつも邪魔されると怒るユリ。裕紀はユリに頭を丸めたと帽子を取って坊主頭を見せる。ここから出ようとユリの手を引く裕紀。しかし裕紀は急に倒れてしまう。
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