監督・・山田洋次
撮影 ....高羽哲夫
出演
車寅次郎 ................ 渥美清
さくら ................ 倍賞千恵子
リリー(松岡清子)
................ 浅丘ルリ子
車竜造 ................ 松村達雄
車つね ................ 三崎千恵子
諏訪博 ................ 前田吟
WOWOWにて観賞
リリーさん初登場の作品。ここではリリーさん旅回りの歌手なんですが、旅先で寅さんと知り合う、再び東京に戻ってきます。同じ境遇の寅さんと意気投合するのですがいつものように一緒になるというわけでなく。リリーさんラストでは鮨屋夫婦となってしまう。しかし旦那が調理している前でさくらさんに今でも寅さんが一番好きという。
まあこういう感じで寅さんをフューチャーするということなんですが、まあこれでいいのか。
夫も上機嫌で冗談と思い聞いている。確かに冗談なんですがね、どこかで本音は言っている。ここらがリリーさんが他のマドンナと違う作りなのかなー。
出来はいいと思う。若干とらやの家の中のシーンが多い感じ、またタコ社長の工場の従業員のラブなエピ、従業員一同で一緒に河原へ行き、告白シーンというか、告白させようとする。なんだか戦後すぐの日活映画の青春シーンのような、ちょっとこの時代ではもう古いのか(^^ゞ
まあこの世界はユートピアですから、いいんじゃないでしょうか。
★★★
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧
小津安二郎
出演
笠智衆 (平山周平)
岩下志麻 (平山路子)
三上真一郎 (平山和夫)
佐田啓二 (平山幸一)
岡田茉莉子 (平山秋子)
中村伸郎 (河合秀三)
三宅邦子 (河合のぶ子)
北龍二 (堀江晋)
NHKBSで観賞。小津安二郎最後の作品。いつもの小津作品と同じ。丁寧な言葉遣い。ある意味クールなホームドラマ。
妻が亡くなった後、代わりの役をしてきた娘を嫁がせるまでの話。いつものような淡々とした話の流れ、ラストで周平さん(笠智衆)の悲しみが一気に・・。
最後の作品でも、というかそういうことは意識していなかったのかも知らないけど、同じ流れ。
小津作品はさほど見ていないけど、一見してわかる画面、ホームドラマでは格調高い話し方。芝居っぽいともいえるんだけど。でも映画の世界に入れば不自然さを感じさせない、結晶化された完成度の高さなのか。
バーでのかつての戦友(部下)とのシーン、軍艦マーチの使い方など、また周平の「戦争に負けて良かった」というセリフなど、明確ではないが反戦の意味合いがあるような。
★★★★
1962年作品。
監督 鈴木卓爾
脚本 大石三知子
鈴木卓爾
原作 武良布枝
出演 吹石一恵 (武良布枝)
宮藤官九郎 (武良茂)
坂井真紀 (田所初枝)
WOWOWで拝見。水木さんの貧乏時代を中心として描き、かなり暗い。TV版とは大違いだが視点がかなり違うので、あるいはこちらがリアルなのかもしれない。水木さんの自宅はかなり作り込んでいて、雰囲気は自分の子どもの頃を思い出させるものだけど、出版社のロケとか(舗装道路)、姉をバス停で見送るシーン(背景のマンション)などまったく今の風景だけど、ここらの作りの意図は不明。なんでだろう。
妖怪たちが出たり、火の玉のCGなどなかなかの作り。まあラストは将来の成功を予感させるんだけどこの暗さは・・・まあわかるんだけどなー。
結局TVドラマとは別物を作らざるを得ないだけど、かなりうまくはいっていると思うんだけど・・・どうも感想はなんだか微妙なんだな。